オリオン現わる
22時頃、窓を開けて東の空を見るとオリオン座が。
大阪の人工光に染まった空でもオリオン座は肉眼で確認できる。生まれ育った田舎のふるさとの空は、これでもかというくらい夜空に宝石が散らばっているかのような空だったが、私が星に興味を持ち始めたのは大人になってから。
野尻抱影さんの「星三百六十五夜 秋」のなかに「オリオン現わる」というエピソードがある。
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星たちのいくも若く新鮮な印象が、まるで初めて見るもののように思える。この驚嘆と讃美を年々くり返してきて、さらに死ぬ日までもくり返し行けることは、星に親しむ者のみに許された特権だと思う。
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バタバタな日常に飲み込まれそうな目まぐるしく進む世の中でも、毎晩、星は決まった姿を僕たちに見せてくれます。
その姿に私は、忙しい日々のなかに安心感を思いだし、また歩みだせるきっかけの一つになるんです。